Stock -- Market Value (10/17/99)へのコメント
読者の方から大変おもしろいご意見を頂きました。以下そのメイルのやり取りを載せます。大変おもしろいです。

(Oさん→私)
竹内さん。こんにちは。Oといいます。
私も前NYUに留学していたので、なんとなくホームページを見せてもらったら面白いことが書かれていたので、ちょっとコメントさせて下さい。
市場の評価は間違ってる!
AMAZONなど今のアメリカのハイテク・ベンチャーの株価はやっぱりバブルなんじゃないでしょうか?市場の評価は、一言で言えば間違ってるのではないかと思います。
株式の理論価格ってあるじゃないですか。将来の予想配当額と、清算価値を現在価値に割り戻したものが株価だというやつです。
市場は色んな新しい情報を瞬時に吟味して、各会社の株の理論価格を計算して、それで株価が決まるということになっている。これが本当に正しければ、確かに利益重視も株価重視も同じと言うことになります。
でも、市場って結局、人間の思考の総和だからそんなに利口とも限らないとわたしは思います。逆に多くの人の考えの総和だからこそ時々群集心理で大間違いを犯すんじゃないかと思います。
その証拠に株で恒常的にもうけてる人って確かにいるじゃないですか。これって、もしEfficient
Market Hypothesis
がただしければ絶対ありえないはずなのに、やっぱりいる。そう言う人って群集心理に流されにくくて、しっかりと真実を見る人なんでしょうね。
やっぱりバブル!?
常識的に考えて、毎年、売上だけ拡大してるけど、赤字も同じペースで拡大してるAMAZONがある時から忽然と大きな利益を出すようになるなんて、考えられないけど、市場はそう考えてるから、今の株価がつくわけでしょう。それが正しいかどうかは分らないけど、まさしく分らないと言うのが正しいのであって、今はダメでも、必ず将来大きな利益が出るようになるなんて根拠はどこにもないと思いますが。。。。。
株価を上げる為に利益を無視して、売上だけを伸ばそうとするのは、市場というかアナリストが企業価値の評価を売上のマルチプルで計算するからですが、利益を無視してのこの計算法こそ、実態の伴わないバブルですよねえ。そのうちはじけるんじゃないですか。やっぱり。
でも、私もはじけてもなおアメリカは強いんだろうなあと思います。

(私→Oさん)
Oさん、メイルありがとうございます。
私も気持ち的には、「間違ってる」が半分、「うーんどうかなぁ」が半分です^^;
「間違ってる」の言い分は、Oさんコメントどおり。それに加えて間違ってると思うことによる(なぜか)安心感みたいなのもあります。^^;
「うーんどうかなぁ」の言い分は、
創業者のアイデアとして、会社を作って、株価をあげて、会社を売り飛ばす。高く売り飛ばすことに注力する。これが、まともな今のアメリカの経済として成り立っているのではないかという点。それから、直接の収益はマイナスだとしても、Distinctive
High Value を作り出せば、それが、直接収益以外の収益をもたらすのでは。たとえば、他企業との提携だったり、ブランドネームの確立による、他事業への展開など。。。
これらがどうも、収益以外の新機軸として確立しつつあるんではないかという気もしています。つまりProfit以外のObjectiveがBusinessのObjectiveとして成り立つ時代になってきたのではないかと。。。
もっとも、これらも含めて「正しい」かどうかを議論するのは、愚行かもしれませんね。。だって、Ethicsが違いますから。。。^^;そういう意味では、アメリカ人(というか今のアメリカ市場を席巻してる企業)こそ、現代のエコノミックアニマルなのかも。。。なーんて気もしてます。

(Oさん→私)
竹内さん:
>創業者のアイデアとして、会社を作って、株価をあげて、会社を売り飛ばす。
>高く売り飛ばすことに注力する。これが、まともな今のアメリカの経済として
>成り立っているのではないかという点。
私は、こういう見方をしています。
実は投資家による公益事業!?
例えば、アマゾンが、利益は、出ていないけど、売上が拡大しているということは、本をネットで買いたいというNeedsは、確かに社会に存在する。でも、それを実現するにはコストがかかりすぎてビジネスとしてはなりたたない。でも、こうした新しいテクノロジー的ビジネスの発展は今後の世の中の進歩に必要だから、誰かがやらなければいけない。普通と言うか今まではこの手の事業は、公益事業として国がやってきたわけです。でも、公益事業がろくでもないことになることはよく分ったので、その方法は、もう取れない。ならば、国が補助金を出せば、いいのですが、予算もないのでしょう。そこで考えられたのが、今の仕組みです。株式によるねずみ講ですね。国が意図的につくったのか、自然発生的に生まれたのかは知りませんが、ネットを利用したニュービジネスは、利益と関係なく、拡大さえできれば、企業価値は増大するという根拠のない理論をまず世の中に浸透させて、この手の株式なら値が必ず上がるからということで、新規投資を促すわけです。
要は、投資家の寄付により公益事業をしているわけですね。ねずみ講ですから、先に株主になって、売り抜けた人はいいですが、最後につかんだ人はアウトでしょう。配当がでる見込みも一株当たりの純資産が増える見込みもないんですから、いずれは、ねずみ講らしく崩壊するんだと思いますが。。。。
まあ、別の言葉で言えば、「ネットを使った新規ビジネスの普及という公共事業を行う事業者に対して資金援助をするしくみ。資金援助者は株式投資家で援助先が援助に値する公的意味をもっているかを審査するのが、ベンチャー・キャピタルとかアナリスト」というところではないでしょうか。ベンチャーキャピタルやアナリスト
は、だから、利益の予想より、普及可能性と新規アイデア性を企業価値として評価するのでしょう。公共事業の民営化の究極の事例だと重いますが、いつまで続くか見物ですね。
本当に利益が出せるならバブルじゃないが。。。
>それから、直接の収益はマイナスだとしても、Distinctive
High Value を作り出せば、
>それが、直接収益以外の収益をもたらすのでは。
>たとえば、他企業との提携だったり、ブランドネームの確立による、
>他事業への展開など。。。
そうですね。そうしたものが、最終的に収益を大きく増やして、今のロスをカバーして、株主の期待収益率を上回る利益がでるのであれば、バブルじゃありませんね。でも、それは、いまのところ根拠のない予測で、株価に大きく反映させてしまうのはちょっと変だと思います。